地下鉄東豊線建設促進期成会連合会は7月11日(木)、札幌市役所において秋元克広市長に要望書を手渡し、「地下鉄東豊線の清田方面延伸」を重ねて要望しました。

秋元市長(手前)に要望書を手渡す牧野会長

 秋元市長は「採算性になお課題があるが、清田は都心部とのアクセス性等に課題がある」として、清田に地域交流拠点を形成する観点、まちづくりを進める観点から地下鉄延伸を検討していく考えを示しました。

 秋元市長が「まちづくりの観点で清田方面への地下鉄延伸の検討を行う」と期成会に直接話したのは初めてです。これまでは「採算性の面で困難」という説明に終始していました。

 これは、地下鉄期成会がここ数年、「札幌市営地下鉄は公営交通なのだから、採算性のモノサシだけで判断するのではなく、地域住民の生活や福祉向上などまちづくりの観点からも検討すべきだ」と要望してきたことを、秋元市長が受け入れてくれたものと期成会は受け止めています。

 札幌市は現行の札幌市総合交通計画を改定し、令和元年度中に次期計画を策定する作業を進めています。2018年11月15日、その改訂検討委員会交通部会に市は「まちづくりの観点」を導入して地下鉄延伸を検討する方針を打ち出しました。その後の市議会での市の答弁、そして今回の秋元市長の説明もすべて、この新しい検討方針に則っています。

 期成会の要望には、期成会役員の豊平区・清田区の各町内会連合会会長、豊平区・清田区の市議・道議、期成会事務局員ら総勢25名で行いました。期成会と市長のやり取りは以下の通りです。

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【牧野晃会長】(清田地区町内会連合会会長)

 大変お忙しい中、私どものために時間を割いていただきまして本当にありがとうございます。私は地下鉄東豊線建設促進期成会連合会の会長をやっております、清田地区町内会連合会会長の牧野と申します。本日は豊平・清田10町連と、清田地区商工振興会、清田ライオンズクラブの各会長・代表、そして、豊平・清田選出の道議・市議の先生方、私どもの事務局を含めまして合計25名で伺いました。

 それでは、当期成会を代表いたしまして、私から市長に地下鉄延長の要望書を提出させていただきます。よろしくお願いします。(牧野会長から秋元市長に要望書を手交)

【牧野会長】

 それでは、要望書の趣旨について説明させていただきます。

 まず1点目は、清田区の地域交流拠点の整備に関してです。

 平成28年に策定された第2次都市計画マスタープランでは、市内の17カ所の地域交流拠点のうち、私どもの清田を含む4カ所を先行的に取り組む拠点としておりましたが、清田以外の3カ所につきましてはその取組が進んでいるものの、清田だけが全く進んでおりません。

 そのために昨今、清田区内に大型商業施設等の立地が相次いでおりますが、無秩序に立地しているのが現状でございます。

 市長は昨年11月の定例記者会見において、「交通輸送量ということだけではなくて、まちづくりの観点から見ると、地域交流拠点の中で清田だけが、都心への交通アクセスの面で課題があり、公共交通機関のネットワークを検討しなければならない地域である。」と明確におっしゃっております。

 私たちはこの都心への交通アクセスの課題解決はもちろんですが、清田の地域交流拠点を整備し、まちづくりを進めるためには、地下鉄延伸は絶対に欠かせないものと考えております。どうか、清田区役所周辺を地域交流拠点として本気で整備していただくよう強くお願い申し上げます。

 2点目は、札幌ドーム周辺の地域の活性化についてです。

 4月の選挙で市長は、「冬季オリンピック・パラリンピック招致」及び「冬季版ハイパフォーマンスセンターの誘致」を公約に掲げておりました。

 札幌ドームはオリンピック・パラリンピックの開閉会式会場と想定されております。また、この札幌ドームに隣接する北海道農業研究センター用地には「女子アイスホッケー場として月寒体育館の後継施設を建設する」ということが公表されておりますが、札幌のまちづくりの観点から言うと、この施設だけでは不十分であると考えております。

 オリンピック・パラリンピックの後も見据えた、札幌ドームに隣接する北海道農業研究センター用地の利活用こそが、地下鉄の需要喚起と延伸、さらには豊平区東月寒及び清田区方面の地域活性化に大きな影響を及ぼすものと考えております。従いまして、「冬季版ハイパフォーマンスセンター」をぜひ、札幌に誘致いただくよう強く要望するものでございます。

 3点目は、道内外からの観光客の地下鉄への取込みについてです。

 最近、国内、北海道はもとより、札幌においても国内外からの観光客が右肩上がりで増加しております。札幌市の観光客数は2017年度は過去最高の1,500万人を超え、特に、外国人観光客の伸びが著しくなっております。

 こうした状況を踏まえ、増え続ける国内外からの観光客の交流人口を地下鉄に取り込んでいく発想が重要と考えております。

 新千歳空港から札幌へは、JRが主流となっておりますが、札幌と北広島、恵庭、千歳を結ぶ国道36号線道央ベルト圏との連携を視野に入れて、札幌の玄関口となる清田への地下鉄延伸を強く要望します。

 4点目は、以前私どもの要望に対し、札幌市は前市長時代、「30年で黒字化が見込めず延伸は難しい」との回答を繰り返してきました。

 しかし、東西線や東豊線はいずれも30年間で赤字解消は出来ず、累積赤字を抱えているのが現状でございます。公営交通だからこそ、「住民の交通利便性の確保」「地域の活性化」「地域住民の福祉向上」など様々な観点から、政策判断・政治判断があって、東西線や東豊線が建設されたのではないでしょうか。

 清田方面につきましても、まちづくりの観点から是非とも地下鉄延伸の判断を強くお願い申し上げます。

 昨今、札幌市は都心アクセス道路やMICE施設のほか、新幹線駅など札幌中心部の開発・まちづくりばかりが目につきます。どうか、豊平区・清田区の未来に向けた住民の期待と希望をご賢察いただきまして、地下鉄延伸を今年度策定される次期札幌市交通計画に盛り込んでいただくよう強く要望いたします。

 そして、一刻も早い建設決定と着工を要望申し上げて、内容趣旨を終わりたいと思います。

【秋元市長】

 日頃から町内会長のみなさん、地域の皆さんには地域のまちづくりにご協力いただいていることを心から感謝申し上げます。また、お忙しい中、市議・道議の皆さまにもお越しいただきましてありがとうございます。牧野会長から要望書について説明いただき、清田区民の皆さんを中心に、豊平の方も東豊線の清田方面の延伸の要望が、皆さんの強い要望だということはこれまでも感じているところです。

 この選挙期間中、清田区にお邪魔したときには、必ずと言っていいほど地下鉄延伸が話題になっており、札幌市清田区の区民の皆さんだけではなく、札幌全体の事柄として、しっかり検討を進めていかなければいけないと思っております。

 まず1点目の地下鉄、さらには地域交流拠点ということでございます。

 地下鉄の延伸なども含め、札幌市の交通体系を今後どうしていくのか、人口の状況も変わってきており、様々なまちづくりも過去の計画の状況から変わってきており、昨年度から総合交通計画の改定について、外部の先生方にも入っていただき委員会を作り検討を進めております。

 昨年11月の検討委員会第1回交通部会の中で、確認をされたことがいくつかあります。

 まず、将来人口が減少していく中で、バスの輸送が困難とされるバス高密度区間は、全市的に発生をしていないということであり、交通需要面から、清田区のみならず、札幌市全域で地下鉄などの大量輸送機関の拡充の必要性はないということであります。

 しかし、まちづくりの面では、多くの地域交流拠点で地下鉄やJR駅を中心として、利便性が確保されていますが、清田は都心部とのアクセス性等に課題があるということであります。また、バスに頼っており、特に冬期間の定時性の確保については課題があることが指摘されております。

 清田区のまちづくりへの課題というのは、皆さん方からお話しの通り、交通部会でも同じような認識を持っているということであり、今年度中に最終的な計画改定をすべく、これからもご議論いただくという状況になっております。

 今後につきましては、地下鉄に関しては採算性というのが今までも非常に大きなネックになっており、もう一度、採算性や将来的な土地利用などの方向性なども含めて検討を進めていきたいと思います。

 中長期的な観点だけでなく、これまでもバスロケーションシステムなど、バスの利便性を高めるということについて、さらには羊ヶ丘通・国道36号などで発生している交通渋滞に対する交差点改良などについては、別途短期的な解決すべき課題として取組を進めているところであります。

 2点目のドーム・オリパラの関係であります。

 冬季オリンピックの招致については、2030年を見据えて動きを始めております。今年度は、住民の関心を高めていかなければならず、札幌で2030年に開催する際の施設計画を検討しつつ、この夏ぐらいから住民の皆さんに情報提供をさせていただいて、札幌でやるとすれば、どういうオリンピック・パラリンピックが望ましいのか、費用の面ではどうなのか、施設計画はどうなのかということを議論して、市として市民の意向を把握し、招致に向けての動きを進めていくところです。

 また、ハイパフォーマンスセンターについては、冬季スポーツの関心を高めていき、北海道が拠点になるべきということ、さらには今東京の北区にある選手を養成するトレーニングセンターがあるが、バドミントンや卓球などで日本の若い選手が伸びていることからも、冬の競技の施設が必要ではないかということで、オリンピックなどで活躍をされたアスリートの皆さんと一緒に、スポーツ庁等の国の関係機関に要望活動を進めております。

 地下鉄に関しての意思決定についてですが、冒頭申し上げたように、まちづくりの観点での必要性は認識しております。課題は採算性であり、国に認可申請をする場合に、鉄道を管理している国交省と、自治体の財務を所管している総務省の両方の認可が必要になります。先ほど東豊線・東西線の、実際の計画との乖離の話がありましたたが、これを強く指摘をされております。当初計画の数字が達成されないということで、見込みのない計画だったのではないかということが、とりわけ総務省から強く指摘をされておりまして、これらをクリアしていかなければなりません。

 鉄道を管理している国交省のみならず、むしろ地方財政は全国的に人口減少になっていく状況の中で、過大な施設を持たない、持たせないというのが総務省の意向でもありますので、国との協議というのは、今なお大きな壁になっており、クリアしていかなければならないということに変わりはありません。

質 疑

【鈴木亨・清田中央地区町内会連合会会長】

 札幌市は地域交流拠点として市内17カ所の整備の方針を掲げております。新さっぽろ、真駒内、篠路、清田の4カ所は「先行的に取り組む拠点」としておりますが、新さっぽろと真駒内については地域の再開発の動きが伝えられているが、清田はまったく取組が見られない。取り組みがあるのであれば、お話しいただきたい。

 清田への地下鉄の延伸と地下鉄駅の設置以外に、地域交流拠点・清田の形成はありえないと我々は考えております。もし地下鉄駅の開設以外に清田の地域交流拠点形成の道筋があるなら、ぜひ示していただきたい。札幌市はどう考えておられるのかお聞きしたい。

【秋元市長】

 地域交流拠点を含めて、まちづくりを進めていくためには、公共施設だけで地域が成り立っているわけではなく、公共施設を核としながら、民間の施設、投資、商店、商業施設、住宅などが総合的に開発され、初めて賑わいが生まれてくる。その中での公共施設の位置付けを考えていかなければいけないと思っております。民間の投資などと、投資意欲・意向というものを横目に見ながらやっていかなければならないという状況であります。

 例えば、新さっぽろなどについては、市営住宅の建替えに合わせて、その余剰地についての民間の意向調査をしていき、今の計画が成り立っているという状況であります。

 真駒内についても、公共施設の再編、あるいは1972年の冬季オリンピックの選手村として使われた住宅団地の今後の建替えなど、建替えをした時の余剰地に民間の投資等の意向をこれから探っていかなければいけない状況であり、まだ新さっぽろのような土地の具体的な動きはないという状況であります。

 清田は、今の区役所や区民センターの建替えの時期では当然ありません。何かを建替えて余剰地をどう使うかということは今の清田区役所の周辺では、具体化に向けての歩みというのはないという状況であります。

 むしろ羊ヶ丘通りの方に商業施設が先行的に行ってしまった。これは確かに、期成会の要望書の中にも指摘がありましたが、計画的に進めないからバラバラに立地してしまっている部分は否めない。

 結果として、北広島市さんの方の商業団地というものが開発されたという影響があると思いますが、民間の投資が羊ヶ丘通沿線にいってしまい、新たな投資を区役所方面に持ってくるというのは現実的にはなかなか厳しいという状況にもあり、ご指摘いただいたように清田に具体的な考え方が進んでいないではないかということは、その通りという部分はありますけれども、公共的なものと民間の開発意向というものをセットに、引き続き清田のまちづくりについて議論を進めていきたいと思います。

【伊藤昭夫・北野地区町内会連合会会長】

 先ほど市長から、採算性と国の申請もありますとお話しがございました。札幌市の観光客は年間300万人ぐらいに達しようというデータや、新千歳空港では1時間の発着便数を42回から50回ほどに増やすということもあるところです。わたしどもはこれを何とか利用しようしたいということも考えております。

 先ほど要望書に農業研究センターの土地利用というお話をさせていただきました。この農業試験場は約8㎢の広さを持っており、森林で4.4㎢ありますが、実際に使っている敷地が少ないということもお聞きしております。札幌は食と観光を将来的にも充実させるためには、羊ヶ丘展望台とともに農業研究センターの土地利用が大切になってくると思う。

 この土地利用ができますと、清田区のみならず、南区や中央区との交通の利便性も高まるということも考えられます。日本ハムのボールパークを含め、この清田区の地下鉄延伸が今後、札幌市営地下鉄に大きく貢献するのではないかと考えておりますが、市長の考え方をお聞きしたい。

【秋元市長】

 地下鉄の採算性を考えるときには、多くの方に乗っていただく必要があります。そういう意味では、今の国道36号沿線の土地利用が農業センターをはじめとして、人の動きに関係がない状態での土地利用になっており、ここが非常に大きなウェイトを占めると思います。今後どう使うかによって、人の流れが変わってくるので、先ほどのドーム周辺の活性化のところでもお話ししましたけれども、これは単純に交通、地下鉄云々ということだけではなくて、札幌市としてどうしていくのかというようなテーマであると思います。

 加えて、人口減少になっていくときの経済あるいは社会を維持していくためには、アジアなどを中心として海外からの観光客、お客さまを増やして、外からのお金を稼いでいくということを考えていかなければいけません。新千歳を含め7空港を民営化し、新千歳の1時間あたりの乗り入れ枠を増やし、新千歳をもっと使って、もっと北海道に来ていただこうと、これは国をあげて北海道も取り組んでいるということであります。

 新千歳から札幌までのアクセスというのは非常に大きな課題であり、今のJRの輸送で良いのかということは、色々な方々と議論をしております。それがすぐ地下鉄にと直結するかどうかというのは課題もありますが、お客様を取り込んでいきスムーズに移動できるということは、北海道全体にとっても重要であり、札幌にとっても重要であると思っております。

 そういう意味で、清田区方面の地下鉄とうまくリンクさせることができるのか、土地利用も含めて、引き続き、北海道・国なども含め議論を進めていきたいと思っております。

【鎌倉功・平岡地区町内会連合会会長】

 私は、清田区民の思いを訴えさせていただければと思います。20数年前にバブルがはじける前は、私は平岡に住んでいますが、明日にも地下鉄が来るというような区民の思いでしたが、幻のごとく消えてしまった。今回、オリンピック招致の絡みで大きなチャンスになるのではないかと、ひょっとすると最後の大きなチャンスかもしれないと思っており、ぜひ区民の思いというものを市長さんの胸に収めていただければと思っております。

 地下鉄建設が多額の財源がいるということは当然承知しておりますけれども、少しでも予算を下げるために、平岸から真駒内方式というものを導入されるということも一つの削減する方法になるのではないかと思います。清田区だけを都心から遠いまち、区にしていただきたくないと思います。清田区民も札幌市民です。ぜひ「地下鉄を清田に」とご決断をしていただくようお願いします。

【秋元市長】

 わたしも皆さん方の思いは重く受け止めております。何とかこれをクリアするために、どうやって人が増えるのか、あるいは構造的なものも含めて費用をできるだけ落とす手法がないのか、引き続き内部検討をさせております。収入を増やして費用を落とすということしかありませんので、これに向けてさらに検討を進めていきたいと考えております。

【平目伸二・里塚美しが丘地区町内会連合会会長】

 市長からオリンピック関連の件をお聞きしましたが、ぜひとも札幌ドーム周辺にハイパフォーマンスセンターを誘致し、札幌オリンピックを絶対に誘致できるような、そんなPRをしていただきたい。そうして我々としては、地域の交流人口を増やし、地下鉄延伸につながればという思いであります。

 ハイパフォーマンスセンターも本州に持っていかれないように、また北海道の他の地域に持って行かれないように、強力にPRをしていただきたい。市長のお考えと今後の決意のほどをお聞きしたいです。

【秋元市長】

 ハイパフォーマンスセンターに関して、今ある東京の施設を拡張していくという考え方が国にありますが、我々はそうではなく、冬の競技専用ということを強く求めたいということを言っており、これは我々行政だけの声では届かないので、北海道には冬の大会で活躍をしたオリンピアンがたくさんいます。そうした競技団体とも連携して、ぜひ冬の競技を強化するためのトレーニングセンターを検討してほしいということを強く訴えてきております。

【有田京史・東月寒地区町内会連合会会長】

 東月寒の方もだんだん開発が進んで、大規模商業施設とかが立地し、大きく変わろうとしているが、国道36号線を走っていくと、半分の地域は何もない状態(北海道農業研究センター敷地のこと)で清田までずっと続いている。そして、清田・北広島に行くとまたにぎわいが始まる。札幌圏を考えましたら、商業施設がドーナツ状態になっており空白地帯があり、せっかく新千歳からの玄関口でありますので、人の流れを考えれば、ドーム横のまちづくりを進め、そこに地下鉄が必要だと思います。冬のことを考、定時で都心まで行けることが必要であり、また、札幌の境界を越えた北広島市なども含めた札幌圏という発想も必要です。そうした発想で地下鉄のことを位置付けていただきたい。

【秋元市長】

 お話しのように土地利用的にも、もったいないということで、色々な課題もありますけれど、みなさん方の想いをしっかりと受け止めて、さらに検討を進めていきたいと思います。

【梶谷道議】

 清田選出の道議会議員の梶谷でございます。今、道議会も動いていまして、豊平区・清田区の宮下先生松山先生、吉田先生、大越先生から何か一言発言してきてくれと。地域の大切な課題についてということで、オフィシャルでなかなかこういう話す場もございませんし、発言させていただくことを許していただければと思います。

 交通基本計画を作るにあたっては、清田区民の移動の権利というのをしっかり考えられるべきではないかなと思います。具体的に言えば、高齢者の免許の返納の問題も課題になっており、交通網というのがしっかりしていくことが必要になってきます。

 お年寄りだけでなくて、ケースは少ないですが清田では附属の小学校・中学校に通うのに非常にご苦労されている。自分のやりたい勉強ができる高校に通うにも、清田から通うには非常に制限がある。こうした問題に地下鉄が果たす役割は大きい。個人の移動の権利という側面もぜひ、考えていただければと思います。

 交流人口の増加についてですが、わたくしも羊ヶ丘通からバス・地下鉄という移動手段を使うことが非常に多く、時間帯によっては、外国人の観光客の方がたくさんの荷物を抱えて乗っておりほぼ満杯になるほどの状況が、この1年ぐらい見られます。ぜひそういう実態についても、把握していただければと思います。

 また、清田区はご承知の通り、昨年胆振東部地震で非常に大きく被災をしたところであります。迅速にかつ丁寧に、地震への対応をいただいておりますので、清田の生活機能が十分回復されると思っていますけれども、このことによって負った清田のイメージ、「人が来ない、離れていく、住もうというインセンティブのようなものが失われていく」ことに対して、何か払拭していくための目玉として、地下鉄というものが1つあっても良いのかなあと思います。

 時間のない中でこういう話をさせていただき、答えは求めませんけども、やはり期成会で求めたことに加えて、さらに様々な多面的な、今わたくしが申し上げたようなことも含めて、さらにご検討いただくように、強く求めていきたいと思います。

【牧野会長】

 市長のほうでも色々と検討をされているとのことですが、今後とも地域の発展や住民の交通の利便性、運転免許を返納しなければならない問題等、様々な状況がございます。市内中心部や市内各所に行くにはどうするのかというのは、我々にとって非常に大きな問題です。地域の福祉、そして市民の足を確保するためにぜひ、清田まで延伸の政治判断や政策判断などしていただければと思っているところです。今日は本当にありがとうございました。

出席者

■札幌市
秋元市長、米田都市計画担当局長、坪田総合交通計画部長、浜岸交通計画課長

■地下鉄東豊線建設促進期成会連合会

<役員>
会長 牧野晃(清田地区町連会長)
会長代行 鈴木亨(清田中央地区町連会長)
副会長 中川昭一(豊平地区町内会連合会会長)
副会長 楠本武男(美園地区町内会連合会会長)
副会長 有田京史(東月寒地区町内会連合会会長)
副会長 鎌倉功(平岡地区町内会連合会会長)
副会長 平目伸二(里塚・美しが丘地区町内会連合会会長)
監事 池田博(月寒地区町内会連合会会長)
監事 伊藤昭夫(北野地区町内会連合会会長)
理事 斎藤忠明(清田地区商工振興会)
理事 山田敏夫(札幌清田ライオンズクラブ地下鉄担当代表)

<顧問=道議、市議>
顧問 梶谷大志(道議、民主、清田区)
顧問 近藤和雄(市議、自民、豊平区)
顧問 小竹ともこ(市議、自民、豊平区)
顧問 北村光一郎(市議、自民、清田区)
顧問 桑原透(市議、民主、清田区)
顧問 峯廻紀昌(市議、民主、豊平区)
顧問 恩村健太郎(市議、民主、清田区)
顧問 竹内孝代(市議、公明、清田区)
顧問 池田由美(市議、共産、豊平区)
顧問 吉岡弘子(市議、共産、清田区)

<事務局>
事務局長 川島亨
事務局次長 猪野毛昭男
事務局次長 佐藤孝之
事務局会計 角口八郎