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令和3年度 札幌市長への要望書

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札幌市長への要望書

令和3年(2021年)12月8日

札幌市長 秋元克広様

地下鉄東豊線の清田区方面への延長について(要望)

(1)市営地下鉄東豊線を清田区まで延長してください。

(2)地域交流拠点清田に地下鉄駅の設置を求めます。

 札幌市は昭和54年(1979年)、「地下鉄50キロ構想」を打ち出し、この中で清田区までの地下鉄建設を発表しました。私たち豊平区と清田区の延長沿線住民は、これに基づき昭和56年(1981年)、地下鉄東豊線建設促進期成会連合会を結成、以来40年間にわたって清田区方面への路線延長を強く求めてきました。

 しかし、「地下鉄50キロ構想」に基づく地下鉄建設で、「清田区方面」だけが唯一いまだ実現せず、積み残しになっています。

 札幌10区の中で、地下鉄もJRもないのは清田区だけです。札幌中心部へ行くのにも、他区に行くのにも、清田区民は大きな不便を強いられ続けています。とりわけ冬季の移動は苦労が多く大変です。

 人口減少、採算性の問題、市の財政難等があることは承知していますが、税負担の公平性および清田区と札幌市全体のまちづくりの観点からも、ぜひ秋元市長のご英断を期待します。地下鉄延伸を要望する理由を以下述べます。

[1]私たちの切実な願いをぜひ早期に実現してください

 豪雪寒冷の大都会・札幌市では、地下鉄は特に冬季間、非常に快適な交通機関です。しかし、私たちは札幌市民であるにも関わらず、日常生活においてこの恩恵に浴することが出来ないでいます。

 昨年3月に改訂された札幌市総合交通計画の改定作業の中で札幌市は2018年11月、市内17カ所の地域交流拠点のうち「清田」だけが札幌中心部への移動時間が、突出して長くかかる資料を公表しました。市中心部への移動時間が長くかかるのは、「清田」だけが市内17カ所の地域交流拠点で唯一、地下鉄もJRもないからです。これを解決するのは地下鉄延伸以外あり得ません。

 札幌市は、かつて清田区まで地下鉄を建設することを市の長期計画にも載せ、市議会でも公式に発言し、市民に約束してきました。これを信用して清田区に家を建て移り住んだ区民は多くいます。市民、区民への約束は守っていただきたい。

[2]地下鉄延伸を盛り込んだ清田区まちづくりビジョンの立案を

 札幌市は、市内各地域のまちづくりの拠点となる「地域交流拠点」の形成に取り組んでいます。地域交流拠点は交通の結節点であり、かつ都市機能の集積した地域のことだと理解します。

 ところが、市内17カ所の地域交流拠点の中で、「清田」だけはその形成がほとんど進んでいません。原因は明らかです。17の拠点のうち、「清田」だけ地下鉄もJRもないからです。地下鉄駅がないので、人は集まらず、バスターミナルもできません。

 札幌市は清田区のまちづくりをどのように考えているのでしょうか。具体案をぜひ示していただきたい。

 昨年、市から「地域交流拠点清田の拠点機能向上に向けた官民連携によるまちづくり」の発表がありました。これは清田地区から1.7㎞も離れたイオン平岡店と連携するプランですが、私たちの地域交流拠点はあくまでも清田区役所周辺の清田地区であります。

 交通網の乏しい清田区の住民は、生活の不便さに嫌気をさし、高齢とともに区外に転出する人も少なくありません。「清田区は車がないと不便だ」「ショッピングも不便だ」「札幌中心部に出かけるとき、最寄りの駅が遠く時間を有する」などの苦情は日常茶飯時であり、交通アクセス向上は区民の切実な願いです。

 昨年、市長から「区民センターの区役所隣接地への早期移転」のお話をうかがい、期待しておりますが、同時に、不自由なく日常生活が送れる地域になるよう、地下鉄延伸を含めた「まちづくりビジョン」の立案を至急求めます。

 清田区は、豊平区から分区して誕生した際、まちづくりの指針となる「清田区まちづくりビジョン2020」(目標年次2020年)を地域住民と共に策定しました(1999年3月)。ここには、清田区役所周辺地区を「地域中心核」と位置づけ、地下鉄東豊線を福住から国道36号線沿いに清田まで延長するまちづくりビジョンが描かれていました。

 この「ビジョン2020」はどうなったのでしょうか。市からも区から何も説明がありません。

 清田区のまちづくりの青写真は、何もないのが現状です。清田区が分区して24年たちますが、この間、市は地下鉄延伸だけでなく、地域交流拠点清田はもちろん清田区のまちづくりにおいて、ハード面でほとんど何もしてきませんでした。私たちは強い不満を持っています。

[3]スポーツ交流拠点の整備に合わせて地下鉄延伸を

 札幌市は今年10月、「札幌ドーム周辺地域におけるスポーツ交流拠点基本構想」案をまとめました。

 これは、札幌ドーム隣接の北海道農業研究センターの土地を市が新たに買収し、アイスホッケー競技やプロスポーツ、各種イベント等が開催できる「アリーナ」、さらにラグビー場や多機能スポーツ施設等の「屋内・屋外スポーツ施設」、民間活力導入による「飲食・物販施設」等を整備し、市内初のスポーツ交流拠点を形成しようというものです。

 これは、老朽化している月寒体育館とラグビー場に代わる施設と伺っており、さらに札幌市が招致を目指している2030年冬季五輪・パラリンピックの会場になることも視野に入れた構想だと理解し、五輪招致と共に大いに期待しております。

 今回の構想は、概ね札幌ドーム境界からラウネナイ川までの国道36号線と羊ヶ丘通に囲まれた範囲の構想ということですが、今後、市が誘致活動を行っている国の冬季競技強化拠点ハイパフォーマンスセンター等が決まれば、その設置場所はラウネナイ川を越えて、さらに清田区寄りの北海道農業研究センターの土地を活用していくと聞いております。

 市長は、地下鉄の清田方面への延伸について、「2030年冬季五輪招致に合わせて、北海道農業研究センターの土地活用の状況を見て検討する」と、選挙公約で述べています。

 北海道農業研究センターの土地で市が進めようとしている大型のスポーツ交流拠点は、集客をさばくために大量輸送機関である地下鉄延伸が不可欠です。福住駅からでは遠すぎて歩いて行けません。スポーツ交流拠点の整備に合わせて、地下鉄東豊線を延伸すべきです。

[4]新千歳空港、北広島方面を視野に地下鉄延伸を

 札幌市の人口はほぼ横ばいで、いずれ減少期に入っていきます。こういう時代に地下鉄の乗降客を増やすには、新千歳空港の乗降客や、発展著しい北広島市、恵庭市方面の大型商業施設の利用客、工業団地の通勤者の取り込みが重要と考えます。

 コロナ禍で新千歳空港の乗降客は減少していますが、いずれ回復することを見越して、その取り込みを図る発想が今から必要です。

 実際、私たちは近年、清田区内の国道36号線と羊ヶ丘通を行き来する車の数が激増しているのを肌で感じており、かなりの交流人口があることを実感しています。

 かつて札幌の市街地は、北海道農業研究センター(北海道農業試験場)までだったかもしれません。今もそういう意識の市民も多いことでしょう。しかし、今では、その先に多くの市民が暮らす清田区が開け、さらにその先には北広島市の大型商業施設集積地区や工業団地が続いています。

 地図を見ると、地下鉄東豊線が福住止まりというのは、いかにも中途で止まっている感があります。

[5]清田区には人口増のポテンシャルがある

 札幌市は、昨年3月に改訂した札幌市総合交通計画で、地下鉄延伸について「近年、清田区において人口が減少しており、事業採算性などを勘案した慎重な検討が必要」としていますが、人口減はそもそも市が計画通り地下鉄を建設しなかったことが最も大きな原因です。

 確かに、近年、交通の不便さから転出する区民はいます。しかし、緑が多い清田区は住宅環境の良さなどから子育て世代の人口は逆に増えており、地下鉄があればむしろ人口増が期待される区です。

 地域交流拠点清田まで地下鉄が延びれば、清田地区にマンションや大型施設等が立ち並び、人口が増え、経済活性化につながることは他地区のターミナル駅を見れば容易に予想されます。地下鉄東豊線の乗客も確実に増えます。

[6]公営交通は何のためにあるのか

 市はここ数年、「採算性がないので、清田延伸は困難」と説明してきました。確かに、採算性は重要です。また、福住―清田間を延長しても採算性に難があることは、私たちも承知しております。

 しかし、公営交通は採算性のみで判断するものなのでしょうか。

 市は、前市長の時から「30年間で累積黒字化」が地下鉄認可の「国の基準」だと私たちに言ってきました。そして「その基準をクリアできないので、清田延伸は困難」と説明してきました。

 しかし、私たちが国(国土交通省)に問い合わせたところ、そのような明文化された絶対的な基準などないことが分かりました。

 札幌の東西線と東豊線は市の言う「30年基準」を達成できるのでしょうか。できません。両線とも累積赤字を多く抱えながらも運営されています。

 なぜでしょうか。それは公営交通だからではないですか。公営交通なので「市民の足を確保する」「市民の暮らしを支える」「まちづくりの核となる」「地域の活性化」「地域福祉の向上」「税負担の公平性」など、採算性以外にもさまざまな観点から計画され、建設、運営されてきたのではないですか。

 こうしたことは道外他都市の公営地下鉄についても言えます。名古屋市、京都市、福岡市など多くの都市の市営地下鉄も、多くの累積赤字を抱えながらも、市民の足を確保するために運営されています。赤字は好ましいことではありませんが、各都市とも市民の足を守ることを行政の責任と考え、採算性だけではない総合的な判断をしているのだと思います。

 私たちは長年、一日千秋の思いで地下鉄が来ることを待ち望んでいます。一刻も早い建設決定と着工を地域住民の総意として、秋元市長に強く求めるものです。

地下鉄東豊線建設促進期成会連合会
会長   牧野晃(清田地区町内会合会顧問)
会長代行 平目伸二(里塚・美しが丘地区町内会連合会会長)
副会長  伊藤昭夫(北野地区町内会連合会会長)
副会長  鈴木亨(清田中央地区町内会連合会会長)
副会長  猪野毛昭男(清田地区町内会連合会会長)
副会長  楠本武男(美園地区町内会連合会会長)
副会長  池田博(月寒地区町内会連合会会長)
副会長  石黒信一(福住地区町内会連合会会長)
副会長  有田京史(東月寒地区町内会連合会会長)
理事   斎藤忠明(清田地区商工振興会会長)
理事   山田敏夫(札幌清田ライオンズクラブ地下鉄担当代表)
監事   中川昭一(豊平地区町内会連合会会長)
監事   中川昇(平岡地区町内会連合会会長)

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