自民党札幌市支部連合会(高木宏寿会長、自民党札連)は12月4日、秋元克広札幌市長に令和6年度予算編成に向けた政策重点要望書を提出した。

地域交流拠点清田。ここまで早く地下鉄を!

 バス減便による交通弱者への救済策や除排雪体制の改善など要望は市政全般の課題に渡っていますが、地下鉄東豊線の清田までの延伸など交通インフラの整備を重点に挙げているのが目を引きます。

 札幌市全体または複数区に係る要望事項として30項目を挙げ、その中に「札幌ドーム周辺整備と地下鉄『東豊線』清田区への延伸」が入っています。自民党札連は毎年、地下鉄清田延伸を粘り強く要望しています。

 要望書には各区支部の要望も盛り込んでおり、地下鉄延伸について清田区連合支部は次のように要望しています。

「地下鉄東豊線の福住駅から清田区までの延伸を要望する。

(1)札幌中心部への交通の利便性を高め、中心部から市街や、北広島市のエスコン新球場の開場及びラピダスによる千歳の次世代半導体工場建設に係る交通の利便性も高め、国道36号線の交通渋滞の解消に繋げる。

(2)地下鉄ホーム等が災害時の避難場所として使用できるようになり、特に冬季間の気温が低い時期に適している。

(3)地下鉄は雪害に強く札幌の交通体系に極めて重要(2022年2月の大雪災害で清田区はバスが運休になり大きな影響が出た)。

(4)地下鉄延伸による地下鉄駅及び周辺施設の建設が、現在進められている清田区役所を中心核とした地域交流拠点「清田」の形成に大きな影響を与えるので、地下鉄延伸の方向性を示してもらいたい。

(5)清田区を取り巻く環境の変化を、延伸を困難としていた採算性以外の理由として、総合的な判断の上、推し進めていただきたい」

また、「清田区役所を核とした地域交流拠点清田の形成」の項目でも次のように地下鉄延伸を要望しています。

「千歳の半導体工場ラピダスの建設などの新しい動きも踏まえて、将来の地下鉄延伸を前提とした交通インフラと、都市機能(警察署・郵便局・ホテル等)を集約しての地域交流拠点清田の実現に向けて取り組むことを要望する」

 また、豊平区連合支部も次の通り清田までの地下鉄延伸を要望しています。

「豊平区羊ヶ丘にある国所有地、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の北海道農業研究センター地区の利活用については、冬期オリンピックの開催概要計画案及び札幌市まちづくり戦略ビジョンにおける高次機能交流拠点として都市機能の推進を目指すことが必要であり、そのことにより地域活性化と賑わいの創出が図られ、さらに清田区への地下鉄延伸の必要性が高まるものと考え要望する」

 自民党札連は毎年、地下鉄を清田まで延伸させる要望を行っていますが、今年は新たに「丘珠空港への地下鉄を含めた交通アクセスの整備充実」と「地下鉄『東西線』宮の沢駅から手稲駅への延伸」も要望事項に盛り込みました。

 札幌冬季五輪の招致が実現しなかったことで、五輪に頼らないまちづくり、とりわけ交通インフラの整備充実にチェンジしていくような感じがします。