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令和4年度 札幌市長への要望書

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札幌市長への要望書

令和4年(2022年)9月21日

札幌市長 秋元 克広 様

地下鉄東豊線建設促進期成会連合会
会長 牧野 晃

地下鉄東豊線の清田区方面への延長について(要望)

(1) 市営地下鉄東豊線を清田区まで延伸し、清田区民の交通利便性を他区並みの水準にしてください。

(2) 地域交流拠点清田(清田区役所、西友清田店、北海道銀行清田支店、北洋銀行清田区役所前支店などがある地区)に地下鉄清田駅を設置してください。そうすれば、そこにバスセンターも設置され交通結節点(地域中心核)ができます。これは清田区民の切実な願いであり、清田のまちづくりに絶対不可欠です。

(3) 来春の市長選に出馬される暁には、選挙公約に「清田までの地下鉄延伸」を前向きの表現で入れてください。

 以上の要望について、以下、説明させていただきます。 

■交通アクセス向上は清田区民の切実な願い

 今冬の大雪は札幌の交通をマヒさせました。道路は除排雪がまったく追い付かず、市内あちこちで交通大渋滞が発生し、市民の不満が爆発しました。

 大雪のあった日、清田区では始発からほぼすべてのバス路線が運休という異常事態になりました。清田区は地下鉄がなく、公共交通は路線バスに頼っていますが、そのバスがほぼ全面運休になってしまうと、もはや陸の孤島です。通勤通学、買い物、病院通いなど生活に大きな影響が出ました。バスが入れず、運休が何日も続いた地区もありました。

 こんな大雪でも札幌の地下鉄は平常運行でした。豪雪地帯の大都市・札幌には地下鉄が交通インフラとして極めて有用であることを改めて思い知らされました。近年、気候変動による影響で、今冬のような大雪被害が今後も予想されます。清田区民にも地下鉄の恩恵が受けられるようにしてください。

 問題は冬だけではありません。一年を通して交通アクセス向上は清田区民の切実な願いです。2020年3月に改訂した札幌市総合交通計画の検討作業の中で、市内17か所の地域交流拠点のうち「清田」だけが札幌中心部への移動時間が突出して長くかかる資料を札幌市が自ら公表しました。

 市中心部への移動時間が長くかかるのは、「清田」だけが地下鉄もJRもないからです。

 札幌市は、かつて清田区まで地下鉄を建設する構想を立て、市の長期計画にも載せ、市議会でも「清田まで建設する」と公言していました。これを信用して清田区に家を建てた区民は多くいます。区民、市民への約束を札幌市は責任を持って履行してください。

■清田に交通結節点(地下鉄駅+バスセンター)を

 札幌市は、市内各地域のまちづくりを市内17か所の「地域交流拠点」を核に進めています。しかし、市内17か所の地域交流拠点の中で「清田」だけは、その形成が進んでいません。原因は明らかです。17の拠点のうち、「清田」だけが地下鉄もJRもないからです。地下鉄がないので、バスセンターもできず、人が集まりません。

 私たち期成会は、毎年、市長に「地域交流拠点清田は、清田区のまちづくりの中心となるもの。それを形成するには地下鉄延伸が必要不可欠」と言い続けてきました。市内の他の地域交流拠点はどこも、地下鉄またはJRの駅を中心に、バスターミナルを併設した交通結節点となっています。交通結節点(地域交流拠点)を中心に各地域は生活圏を形成します。

 そして、地域交流拠点は地下鉄またはJRで他の地域交流拠点とつながっています。清田のように地下鉄またはJRのない地域交流拠点などありえません。

 こうした私たちの要望に対し、札幌市は「地下鉄延伸は、札幌ドーム隣接の北海道農業研究センターの土地活用を見て検討するが、現状では採算性から難しい」といい、その上で地域交流拠点清田について2020年10月、「地域交流拠点清田の拠点機能向上に向けた官民連携によるまちづくり」という構想を発表しました。

 ここでいう「官」とは札幌市、「民」とはイオン平岡店のことです。これは、イオン平岡店を増床・拡張して、その賑わいを清田地区に及ぼそうという構想のようですが、地域交流拠点清田地区とイオン平岡店は1.7㎞も離れていて、とても歩いて行き来できる距離ではなく、私たち清田区民の感覚では両地区は別地区です。

 どうしてイオン平岡店の増床・拡張が「地域交流拠点清田の機能向上」になるのか、私たちは全く理解できません。むしろ地域交流拠点清田の地区がさびれて、その拠点形成が遠のいてしまう恐れすら感じています。

 地域交流拠点清田は、こうした無理な策を弄するのではなく、交通結節点を造るという本来の姿で地域住民と議論してほしいと思います。

 2020年、市長から「区民センターの区役所隣接地への早期移転」のお話をうかがいました。これは私たちも期待しておりますが、現状では、区役所周辺に区民センターを持ってきても、そこに行くバス路線が十分にないのです。区役所近辺にバスセンターがないからです。そしてバスセンターができないのは地下鉄駅がないからです。

 清田区は豊平区から分区して誕生した際、新生清田区のまちづくり計画「清田区まちづくりビジョン2020」(目標年次2020年)を策定しました(1999年3月)。ここには、清田区役所周辺地区を「地域中心核」と位置づけ、地下鉄東豊線を福住駅から国道36号線沿いに清田まで延伸するビジョンが描かれていました。清田地区のイメージ図には「地下鉄清田駅」がはっきりと描かれていました。

 これは一体、どうなったのでしょうか。市からも清田区からも私たち地域住民は何の説明も受けたことがありません。

■札幌ドーム隣接のスポーツ交流拠点整備に合わせて地下鉄延伸を

 札幌市は2021年10月、「札幌ドーム周辺地域におけるスポーツ交流拠点構想」をまとめました。これは、札幌ドーム隣接の北海道農業研究センターの土地(国道36号線と羊ケ丘通に挟まれた区域)を市が取得し、アイスホッケー競技やプロスポーツ、各種イベント等が開催できる「アリーナ」、さらにラグビー場や多機能スポーツ施設、民間資本による飲食・物販施設等を整備し、市内初のスポーツ公園を形成しようというものです。

 アリーナ等は老朽化している月寒体育館とラグビー場に代わる施設であり、2030札幌冬季五輪が招致されれば、その施設にも活用されると聞いております。

 札幌市は、さらに国の冬季競技強化拠点ハイパフォーマンスセンターをこのスポーツ公園に誘致すべく活動を展開していると聞いております。

 市長は「北海道農業研究センターの土地活用の方向を見ながら、地下鉄延伸を検討する」と選挙公約で述べ、私たちにも再三、述べてきました。

 市が進めようとしているスポーツ交流拠点は大型の集客施設を伴うものであり、大量の集客をさばくためには大量高速輸送機関である地下鉄が不可欠です。福住駅からでは、札幌ドームのさらに先であり、歩いては行ける距離ではありません。

 スポーツ交流拠点の整備に合わせて、つまり北海道農業研究センターの土地活用に合わせて、地下鉄東豊線を清田まで延伸してください。

■地価上昇率1位、子供と子育て世代の転入が多い清田区

 札幌市は2020年3月に改訂した札幌市総合交通計画で、地下鉄延伸について「近年、清田区において人口が減少しており、事業採算性などを勘案した慎重な検討が必要」と記しました。

 しかし、人口減はそもそも市が計画通り地下鉄を清田区まで建設しなかったことが最も大きな原因です。それを棚に上げて「清田区において人口が減少」云々というのは、到底納得がいくものではありません。

 国土交通省が今年3月に発表した2022年1月時点の公示地価で、清田区の地価上昇率(住宅地)は13.3%、札幌10区の中で1位となりました。商業地でも清田区は8.7%上昇で、札幌10区の中で1位でした。

 これは何を物語っているのでしょうか。清田区の土地需要の高さを反映しているのではないですか。

 では、なぜ清田区の土地需要が高いのか。それは「家を建てるのなら緑が多く子育てしやすい環境の清田区で」という人が、子育て世代を中心に多いからです。

 実際、清田区の転入と転出の年代別動向は次の通りです(2021年、住民基本台帳)。

年代      転入 / 転出

0歳~4歳  406人 / 169人 転入超
5歳~9歳  164人 / 93人  転入超
10歳~14歳 99人  / 74人 転入超
15歳~19歳  167人 / 261人 転出超
20歳~24歳 513人 / 924人 転出超
25歳~29歳 560人 / 671人 転出超
30歳~34歳  536人 / 415人 転入超
35歳~39歳 411人 / 283人 転入超
40歳~44歳 263人 / 243人 転入超
45歳~49歳 269人 / 225人 転入超

 大学生や社会人になると、地下鉄のない清田区を離れる若者(15歳~29歳)が多くいる一方、子供(0歳~14歳)のいる子育て世代(30歳~49歳)は反対に緑豊かな清田区に家を求めて転入する人が多くなっています。上記の清田区の転入・転出人口動態は、こうした動きを映し出しており、清田区には人口増と発展の芽があります。

 このような状況で、地下鉄が清田地区まで延伸されれば、周辺にマンションや商業施設、医療機関、ホテルなどが建ち並ぶことは容易に推定されます。人口も増加に転じることでしょう。

 清田区はまた、近年、発展著しい北広島市大曲地区、輪厚地区と隣接しており、さらに工業団地や新千歳空港のある恵庭、千歳方面に続いています。

 市は「近年、清田区において人口が減少しており」と札幌市総合交通計画で断じていますが、これは地下鉄を延伸しない、つまり何もしない現状のままでの分析です。

 地下鉄を延伸した場合の清田区の人口推定をして、さらに清田地区に交通結節点(地下鉄駅+バスセンター)を造った場合のまちづくりの想定をして、改めて分析してほしいものです。

 そして私たち市民の声に耳を傾け、一緒に希望のあるまちづくりを進めていただきたいと思います。

■公営交通は何のためにあるのか

 市はここ数年、「採算性がないので、清田延伸は難しい」と言ってきました。「採算性」だけをことさら強調して「延伸は難しい」と言ってきたのです。もちろん採算性は重要です。福住―清田間を延長しても採算性に難があることは、私たちも百も承知です。

 しかし、民営交通ならいざ知らず、公営交通は採算性だけで判断するものなのでしょうか。

 市は前市長の時から「30年間で累積黒字化」が地下鉄認可の「国の基準」だと私たちに説明してきました。そして、「その基準がクリアできないので、清田延伸は国の認可が下りない」と言ってきたのです。

 しかし、私たちが国(国土交通省)に問い合わせしたところ、そのような明文化された絶対的な基準などないことが分かりました。そして、その旨を何年も前から私たちは毎年、市長に申し上げてきました。

 そして今年2月16日、衆議院予算委員会第八分科会で荒井優議員が、これについて国土交通省に見解をただしました。

 国土交通省の上原敦鉄道局長は「30年という一応の目安はあるが、地方の公営交通の場合は、事業主体がしっかりしていることから、より柔軟に対応している」と答弁し、「30年基準」にこだわらない見解を、国会の場で正式に示しました。

 私たちが市から受けていた説明は一体、何だったのでしょうか。

 私たちは「公営交通を採算性だけで判断するのはおかしい」と申し上げてきました。「住民の足」を確保するのは、行政の責任だからです。

 札幌の東西線と東豊線は市が言ってきた「国の30年基準」を達成できているのでしょうか。できていません。両線とも累積赤字を多く抱えながら運営されています。

 なぜでしょうか。それは公営交通だからです。「市民の足を確保する」「市民の暮らしを支える」「地域の経済活動を支える」「まちづくりの核となる」「市民の税負担の公平性と各区の均衡ある発展を保つ」など、採算性以外にも様々な観点から総合的に判断し、計画、建設、運営されてきたのではないですか。

 こうしたことは道外の他都市の公営地下鉄についても言えます。横浜市、名古屋市、京都市、福岡市など多くの市営地下鉄も、多額の累積赤字を抱えながらも、市民の足を確保するために運営されています。

 赤字は好ましいことではありませんが、各都市とも市民の足を確保することを行政の責任と考え、採算性だけではない総合的な判断をしているのだと思います。

 札幌市もぜひ、こうした総合的な判断に立って、地下鉄の清田延伸をぜひお願いいたします。

■北広島方面、新千歳空港を見据えた広い視野で地下鉄延伸を

 札幌市の人口はほぼ横ばいで、今後、減少に転じていくでしょう。こういう時代に地下鉄の乗降客を増やすのはなかなか大変です。そこで、新千歳空港の乗降客や、北広島市、恵庭市方面の大型商業施設の利用客、工業団地の通勤客の取り込みをはかる発想が重要と考えます。

 実際、私たちは近年、清田区から北広島方面にかけての国道36号線と羊ケ丘通に次々と商業施設や産業施設が建ち並び、その2本の幹線道路を行き来する車が激増している実態を間近で見ています。日々の生活の中で、かなりの交流人口があるのを肌で感じています。

 清田区は北広島市や千歳市方面への札幌市のゲートウェーです。増大する交流人口を地下鉄に取り込むためにも、地下鉄の清田区方面への延伸は有効であると考えます。

 かつて札幌の市街地は、羊ヶ丘の北海道農業試験場(現北海道農業研究センター)までだったかもしれません。今でも、そういう意識の市民も多いことでしょう。

 しかし、今では、その先に多くの市民が暮らす清田区が開け、さらにその先には北広島市大曲地区の住宅団地や大型商業施設集積地区、工業団地がつながって続いています。来春には北広島市にボールパークもオープンします。

 地図を見ると、地下鉄東豊線が福住駅止まりというのは、いかにも中途で止まっているという感じです。

 

 札幌市は昭和54年(1974年)、「地下鉄50キロ構想」を打ち出し、南北線、東西線、東豊線の3線を建設する方針を市民に発表しました。この中で清田区までの地下鉄建設が盛り込まれたのです。

 私たち豊平区と清田区の沿線住民は昭和56年(1981年)、地下鉄東豊線建設促進期成会連合会を結成、以来、40年以上にわたって清田区方面への早期路線延長を強く求めてきました。

 しかし、「地下鉄50キロ構想」に基づく地下鉄建設で、福住駅-清田駅間(4.2㎞)のみがいまだ実現せず、積み残しになっています。この結果、清田区は札幌10区の中で地下鉄もJRもない唯一の区になっています。

 札幌市は8月24日、外国からの弾道ミサイル攻撃に備えて市営地下鉄駅の全駅を緊急一時避難施設に指定しました。しかし、地下鉄がない清田区は、ここでも蚊帳の外、置き去りです。私たちは憤慨しています。

 私たち期成会は今年、つしま医療福祉グループと札幌清田ロータリークラブの2団体が新たに構成団体に加わりました。これで従来の豊平区と清田区の町内会連合会10団体および清田地区商工振興会、札幌清田ライオンズクラブと合わせて構成団体は14団体になりました。

 ほかにも、清田区内では地域の経済人を中心に私たち期成会の活動を支援しようという動きが高まっています。

 秋元市長は7月23日、清田区役所前広場で開催された第23回清田ふれあい区民まつり開会式に来賓として出席され「地下鉄延伸を含めた交通整備について住民の人と一緒に考えていきたい」と発言されました。

 私たちは、久しぶりに市長から前向きととれる発言を聞きました。しかし、来年の市長選挙のリップサービスであっては困ります。秋元市長におかれましては、ぜひ、地下鉄延伸の政治判断を下され、選挙公約には一歩踏み込んだ前向きの内容を盛り込んでほしいと切に願います。

 秋元市長には、苦しい財政事情ながら50年、100年先に残る札幌市の交通インフラの骨格構造(地下鉄)をぜひ完成させてほしいと願っております。完成まであと一歩、福住―清田間のみです。

 長年、行政マンとして、また市長として、着実に市民のため地域住民のために尽力されてきた秋元市長ですので、私たちは大いに期待をしております。住民の総意として地下鉄清田延伸を要望いたします。

地下鉄東豊線建設促進期成会連合会
会長 牧野晃(清田地区町内会連合会顧問)
会長代行 平目伸二(里塚・美しが丘地区町内会連合会会長)
副会長 伊藤昭夫(北野地区町内会連合会会長)
副会長 鈴木亨(清田中央地区町内会連合会会長)
副会長 猪野毛昭男(清田地区町内会連合会会長)
副会長 楠本武男(美園地区町内会連合会会長)
副会長 山田重孝(月寒地区町内会連合会会長)
副会長 石黒信一(福住地区町内会連合会会長)
副会長 有田京史(東月寒地区町内会連合会会長)
理事 山田敏夫(清田地区商工振興会会長)
理事 水上悟(札幌清田ライオンズクラブ地下鉄担当代表)
理事 三澤龍子(札幌清田ロータリークラブ会長)
理事 対馬徳昭(つしま医療福祉グループ代表)
監事 中川昭一(豊平地区町内会連合会会長)
監事 中川昇(平岡地区町内会連合会会長)

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