地下鉄東豊線建設促進期成会連合会(牧野晃会長)は8月10日(木)、令和5年度定期総会を清田区民センターで開催しました。最近の地下鉄延伸に関する情勢分析を報告し、引き続き延伸活動を力強く行っていくことを確認しました。

地下鉄東豊線建設促進期成会連合会の定期総会=2023年8月10日、清田区民センター

 総会は豊平区と清田区の町内会連合会役員や清田区内の町内会長ら期成会の役員、構成員と、顧問の国会議員、市議会議員(※)ら計70人が参加して開催されました。コロナ禍のために昨年まで書面開催が3年間続きましたが、通常開催は4年ぶりです。

出席した期成会顧問の議員の皆さん

 はじめに牧野会長が「国の鉄道認可基準がより柔軟になってきており、市長には、地下鉄延伸の政治判断を下されるよう願います。清田はJRも地下鉄もバスターミナルも警察署もホテルもありません。地下鉄延伸はまさに清田のまちづくりのかなめです」と訴えました。

 続いて令和4年度の活動を振り返り、令和5年度の活動計画を検討しました。本年度も秋に、札幌市長に面会し地下鉄延伸を強く要望する方針を確認しました。

 この1年間の情勢分析では、秋元市長が以前より延伸に前向きともとれる発言を繰り返すようになったことが報告されました。

 秋元市長は以前は「採算性に難があり延伸は難しい」という一点張りでしたが、この1年の言動を見ていると、「総合的に判断し、需要推計をやり直す」と発言するようになってきました。

 これは、昨年9月の期成会の市長要望の際の発言や、今年4月の市長選の際の街頭演説等の発言です。市長自ら「総合的に判断する」と言うようになったことに、期成会は注目しています。期成会はかねてから「地下鉄は行政が行う公営交通なのだから、採算性だけでなく『市民の足の確保』、『地域のまちづくりの基盤』『大雪災害に強い交通インフラ』など総合的に判断してしかるべき」と市長に要望してきました。

 千歳に国家プロジェクトともいえるラピダスの次世代半導体工場が建設されることは、地下鉄延伸の追い風になる可能性が出てきたとの報告もありました。ラピダスは苫小牧-千歳-札幌-石狩に至る一帯をデジタル産業の一大集積基地とする「北海道バレー構想」を提唱しています。交通インフラの整備も必要になり、千歳方面のゲートウェイである清田まで地下鉄延伸をすることについて、秋元市長はじめ関係者から言及する声が出ているのです。

 秋元市長は4月の市長選の街頭演説で、ラピダスの名をあげ、人の流れが豊平、清田方面に出てくると語り、こうした点も踏まえて地下鉄延伸を考える姿勢を打ち出したのです。これも「総合的な判断」の一つです。

 また、札幌ドーム隣接の北海道農業研究センターの土地に、アリーナや屋外競技場などを造るスポーツ交流拠点構想も4月の市長選で公約し、令和5年度予算に新規事業として調査費を計上しました。スポーツ交流拠拠点まで地下鉄福住駅から徒歩で行くのは無理です。地下鉄延伸が期待されます。

 さらに、地下鉄清田延伸に待ったをかけた上田前市長が最近は「国の姿勢が変わったのだから、延伸を検討したほうがいい」と考えを180度変える姿勢を打ち出していることも報告され、総会出席者から注目されました。

 地下鉄清田延伸は依然、厳しい状況ではありますが、以前よりは周囲の状況がだいぶ変化してきていることも事実です。

 以上のような情勢分析が、総会の席で報告されました。

 また、期成会の中に「サポーターの会」が設置されることになり、その規約が決まりました。サポーターとは、期成会の活動を、資金面を含めて支援する個人、企業、団体等のことで、年間1万円以上の支援を行うとしています。

 期成会は、清田区と豊平区の町内会連合会など15団体で構成していますが、活動の輪をさらに広げて、広範な地域活動にするのが目的です。

 期成会の構成団体は、今年4月に清田団地商店商工振興会が加わり、15団体になっています。構成団体は次の通りです。

里塚・美しが丘地区町内会連合会、北野地区町内会連合会、清田中央地区町内会連合会、清田地区町内会連合会、平岡地区町内会連合会、美薗地区町内会連合会、月寒地区町内会連合会、福住地区町内会連合会、東月寒地区町内会連合会、豊平地区町内会連合会、清田地区商工振興会、札幌清田ライオンズクラブ、札幌清田ロータリークラブ、つしま医療福祉グループ、清田団地商店商工振興会

(※)出席した議員は、荒井優衆院議員、北村光一郎市議、竹内孝代市議、恩村健太郎市議、山田洋聡市議、菅野太一市議です。他の顧問は、公務等のためやむなく欠席でした。